ビールは水と麦とホップでできている!
本日はそのホップの品種についての記事です。
ビール検定の勉強を始めていらっしゃる方はお気づきになったでしょう。
実は、ホップには非常にたくさんの種類があるのです。
まず役割で大きく大別すると、苦味をつけるビターホップ(ビタリングホップ)と香りをつけるアロマホップに分かれます。
さらに、国や地方によってさまざまなキャラクターのホップが存在するのです。
今回は、そんなビールの品種について、麦風がビール検定を受けるうえで特に覚えておきたいと思ったものを中心にご紹介していきたいと思います。
1 アメリカ
1-1 アマリロ
甘いオレンジの香りが特徴的なホップです。
国内でも、クラフトビール醸造所だけでなく、大手のビールメーカーも、このアマリロを使用した商品を発売しています。
比較的新しい品種のホップです。
1-2 カスケード
クラフトビール大国アメリカでもっともポピュラーだといわれるホップです。
柑橘系のややビターなホップなので、ビタリングホップとしてもアロマホップとしても使われます。
1972年にリリースされ、アメリカンホップの「華やかな香り」の代表格といえます。
1-3 シトラ
グレープフルーツのようなビター感のある柑橘系の香りが特徴です。
その他にもパッションフルーツやベリーのようなフルーティな香りもあり、複雑なアロマといわれています。
前出もカスケードもそうですが、頭文字に”C”が付くアメリカンホップを総称して”Cホップ”と呼ばれます。どれも柑橘系の香りがします。
1-4 モザイク
2012年にリリースされた比較的新しいホップです。アロマホップとしてもビタリングホップとしても使用されます。
柑橘系やトロピカルフルーツの香りが特徴で、少し甘みのある香りがします。
1-5 ナゲット
ビタリングホップです。しっかりとした苦味をつけるためのホップとして使用されます。
微かにフローラルやハーバルのアロマも香ります。
※ハーバルのアロマは”草のような香り”と表現されることがあるようです。
が、正直「草」をまじまじと嗅いだことがないですよね。
アロマを勉強するのは、まったくもって、大変なようです。
アメリカンホップの解説については、よなよなエール公式ウェブサイトがとても分かりやすいので是非併せてごらんください
2 ドイツ・チェコ
2-1 ヘラクレス
カブトムシのような名前のホップですが”虫”のようなアロマではないですよ。
ドイツのビタリングホップです。
サッポロビールから2019年に発売された「MEGA LAGER」に使用されています。
”目が覚めるようなホップのビターな刺激”だそうです(公式HPより)
2019/8/28 サッポロニュースリリース
サッポロ MEGALAGER(メガラガー)新発売
2-2 マグナム
ヘラクレスと同じドイツのビタリングホップです。
ビタリングホップは苦み成分「アルファ酸」を豊富に含んでいるため、「高アルファ酸ホップ」とも呼ばれます。
代表的なビタリングホップは以下の4種類です。
- ヘラクレス(ドイツ)
- マグナム(ドイツ)
- ナゲット(アメリカ)
- コロンバス(アメリカ)
2-3 ハラタウトラディション
草、花、フルーツのアロマが香るドイツのアロマホップです。
エビスビールブランドで使用している主要なホップとして知られています。
2-4 ハラタウミットフリュー
フローラルやスパイシーな香りが特徴のアロマホップです。
ドイツのハラタウ地方で生産されています。
これからご紹介する4品種(ハラタウミットフリュー、テトナング、シュパルト、ザーツ)は、伝統的なヨーロッパのアロマホップで、「ノーブルホップ」と呼ばれます。アロマホップの中でも穏やかで上品な香りが特徴で別名「ファインアロマホップ」です。
2-5 テトナング
マイルドな苦味が特徴のドイツのホップです。
ドイツのテトナング地方はハラタウ地方と同様に、世界的なドイツの産地です。
2-6 シュパルト
花、大地、ハーブのアロマが香るドイツのホップです。
ドイツ南部のシュパルト地方が起源とされています。
シュパルト地方
バイエルン州に位置する。シュパルト地方で造られる「シュパルター・ビール」は長寿の効果があると言われているそう(ソースは不明。ドイツの民謡に謳われているらしいよ。)
2-7 ザーツ
チェコのホップです。ホップの品種の中では有名なので知ってる方も多いのでは?
何百年も前からビールに使用されているという非常に歴史の長いホップです。
やはりチェコのホップ、主にピルスナーに使用されています。
3 日本
3-1 ソラチエース
サッポロビールから発売されている「Innovative Brewer SORACHI1984」なのでご存じの方も多い、日本のホップソラチエースです。
ドイツホップ「モザイク」と組み合わせると香りが変化するという研究結果も出ています。
2019/8/2サッポロニュースリリース
ソラチエースの謎解きが切り開くビールの新しい世界
3-2 信州早生
レモンのアロマが特徴的なホップです。
ずっと早生の読み方を”そうせい”だと思っていたのですが、”わせ”と読むそう(恥)
日本産のホップの中では一番多く生産されています。
4 ニュージーランド・オーストラリア・イギリス
4-1 ネルソン・ソーヴィン
ニュージーランドのホップ。2000年に登場した比較的新しいホップです。
白ワインのようなフルーティーな香りが特徴が人気です。
4-2 ギャラクシー
オーストラリアのホップ。2009年に登場したこれまた新しいホップの品種。
柑橘とパッションフルーツの香りが特徴です。
4-3 ファッグル
最も有名なイングリッシュホップです。フルボディのエールに使用されます。
おすすめのサイト
最後に、もっとホップの品種について詳しく知りたい!という方。
素晴らしいサイトを2つご紹介します。
「クラフトビア・ギークス」さん
詳細なホップの品種リストが掲載されています。非常に詳細な情報が掲載されていますので、気になるホップがあればまずこちらで調べてみるのがおすすめです。
「Brew Note」さん
分かりやすい図解で、ホップの品種が紹介されています。が、内容はかなりマニアック。ホップについて知り尽くしたい人におすすめ。
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